クチコミマーケティングの功罪

クチコミマーケティングは、一昔前は期待されたマーケット手法だったと思う。宣伝臭くない生の声が聴けるとあればユーザーにとって価値の高い情報となるだろう。しかし今は”ステマ”などとネガティブな呼び方をされ、詐欺の手法と思われるまでに落ちぶれた。最近「食べログ」のニュースで注目されているが、この手法は昔から当たり前のように存在していたと思う。リアル世界では”サクラ”と呼ばれる行為もあったはずだ。

こういうのはクチコミサイト側が投稿に対して対策を行うべきで、書き込んだ側を訴えるというのは全く逆効果だと思う。つまり、食べログは信用できないという風評を自分でばら撒いてしまったのではないか。例えば、宿泊予約サイトではステマ対策としてそのサイトを利用して予約して宿泊したユーザーでしか書き込みをできないよう規制をしている。アマゾンだって今後そうなるだろうと踏む。なんらかの工夫して意図的な投稿を排除するようにすることで、そのサイトの信用力が向上させることが正しい対応だと思う。

3.11震災とソーシャルネットワークを研究した文献によると、ツイッターでもデマが多く流れたらしい。しかしそれを上回る数の間違いを指摘する投稿があり、バーチャルな情報空間は充分に自浄作用があると分析されていた。間違いが許されない状況のなか、ある情報に対してそれを検証できる一般ユーザ側も発言できる機会があることは必要だと思うし、新聞テレビなどを含めてそのように変わっていくべきだと思う。

あとは投稿された情報を読む側のリテラシー向上が必要だ。書かれていることは鵜呑みにしない。うそを見抜く力が要求される。自分の両親もそうだが活字になっているというだけでその内容まで信用してしまう。年長者には難しいかもしれないが、学校教育の時点で教える事が必要だろう。学校への携帯電話持ち込み禁止とかいう風潮があるが、今後は大人になれば絶対に必要になるだろうし、その時にだまされないように逆に早いうちから教育すべきであると思う。